introduction of 'Apprenticed to a Himalayan Master' for Japanese

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翻訳者によるSri M氏の紹介 (part 2) – シュリー・エムという人物

翻訳者推薦文 2019.09.03 (part 2) 

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―シュリーエムという人物 

 

 実は、スイスではじめて会ったときのシュリー・エム氏の第一印象は、正直なところ普通だった。私が期待していたのは修行者のような厳しさと神々しさのオーラを持つ人だったが、彼の立ち居振る舞いは謙虚そのもので、あまりの腰の低さに参加者の一人かと思わせた。しかし、話し込んでいくほどに、彼という人間の底知れぬ深さが明らかになっていった。巡礼では正午前に講話が毎日あった。私は彼にこう質問をしてみた。

 

 「本を読んだところによると、あなたは境地の高みに到達した人のようです。これ以上ない悟りを開いたと言えますか?また、それなら毎日の修行は必要ないのですか?」彼は答えた。「そのような境地に私は達したと思っています。それでも、修行は毎日します。なぜなら、自己がどれだけ自由になっても、世界で生きているかぎり、汚れを落とすための定期的な維持が必要だからです。それに修行はもはや私の人生のパートナーです。ただ、純粋な喜びのためにやっています。」

 

 非の打ち所がない答えよりも説得力があったのは、答えの内容を体現する、シュリー・エム氏の日頃からの立ち振る舞いだった。彼は1つの波もなく静かで透明な、しかし底が見えないほどに深い湖のようである。その水を覗き込んでいると、こちらの心にも静けさと穏やかさが広がる。質問という石を投げ入れれば、深い底の知識の貯蔵庫からすぐに答えが返ってくる。(続く)

part 2 はこちらです。 https://purnamidam.hatenablog.com/entry/2019/09/03/190138

part 3 はこちらです。 https://purnamidam.hatenablog.com/entry/2019/09/06/101748  

 

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【青木 光太郎】略歴:インド各地を放浪する翻訳家。日本で生まれて高校まで日本で育つ。フリーマン奨学金を受けて、大学はアメリカのコネチカット州にあるウェズリアン大学で西洋哲学を学ぶ。大学卒業後はいくつかの職場で働き、その後は翻訳をしながら世界を旅する。現在はインドを放浪しながら、各地の達人からヨーガとヒンドゥー密教を学んでいる。

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